法話

お仏壇について

 お寺の本堂の中心には、御本尊をお祀りした台がありますが、これを「須弥壇(しゅみだん)」といいます。仏教思想では、世界の中心に須弥山(しゅみせん)があるといわれており、仏さまはこの上におられるということから、仏さまをお祀りする台のことを、「須弥壇」というのです。そして、この須弥壇をコンパクトにして家庭に置いているものが「仏壇」です。我が国で仏壇が祀られるようになったのは今から約千三百年前のことですが、この頃は一部の貴族だけでした。現在のように各家庭に置かれるようになったのは、江戸時代に入ってからです。

 お仏壇の中心には、必ず御本尊さま(仏さま)を、お祀りします。特に私たち浄土宗においては、阿弥陀如来を御本尊としてお祀り致します。つまり、お仏壇は阿弥陀さまのおられる西方極楽浄土を現しているのです。そして、阿弥陀さまのもとにご先祖の御位牌を安置致します。私たちは、多くのご先祖さまのお陰により現世に命を頂きました。また、普段の暮らしの中では、たくさんのお陰により生かされています。お仏壇にお参りすることで、仏さま、そしてご先祖さまの存在を身近に感じて頂き、日々感謝の気持ちを捧げたいものです。

 お仏壇についての決まりを下記に書いておきますので、参考にして下さい。

○お仏壇の一番高い所には、正面に阿弥陀如来、右側に善導大師左側に法然上人をお祀りします。
(仏壇によっては、右側に観音菩薩、左側に勢至菩薩の場合もあります)

○ご先祖さまの御位牌は、仏さまよりも一段低い所にお祀りします。

○三具足は、真ん中に香炉、右にお灯明、左にお花を置きます。
(五具足の場合は、真ん中に香炉、その両脇にお灯明、更にその外側にお花を対になるように置きます。)

○お仏壇の上に遺影を飾ったり、お仏壇の中に写真を置かないようにします。

平成27年3月
「西生寺だより 第19号」にて掲載

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