法話

払子(ほっす)

 僧侶が使う法具のひとつに、「払子(ほっす)」があります。払子とは獣毛や麻などを束ね、それに柄をつけたものです。その昔インドでは虫類などの殺生が禁じられていました。修行中、蚊などの虫に悩まされていた僧侶は、それを殺すことなく追い払うに為に使われたのが払子の始まりといわれています。その後、仏教の伝来とともに中国を経て日本へも伝えられました。
 また払子のことを「麈尾(しゅび)」とも言います。麈とは大鹿のことで、この大鹿は群れとなって行動します。その群れの主である大鹿は、自らの尾の動きによって群の他の鹿を従わせます。仏教徒も教主に従う意を表すということから、払子を大鹿の尾の毛で、作ったといわれております。
 当寺では、定期法要や葬儀などの大きな法会の際に、その法要の導師によって使われています。

平成21年4月 
西生寺HPにて掲載




 

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