法話

合掌について

 私たち仏教徒は、普段お寺に参詣したとき、或いはお仏壇でお参りするときなどは、合掌してお参りを致します。合掌は古くからインドで行われていた敬礼(きょうらい)作法の一種で、それが仏教にも取り入れられたものです。仏さまや菩薩さまなどを礼拝するときの作法ですが、仏教徒の間では日常の挨拶にも用いられます。
 「右ほとけ、左われぞと合わす手の、中にゆかしき南無の一声(いっしょう)」という古い歌があります。仏教では右手を清浄な仏さま、左手を不浄で煩悩多きわたくし自身を表しています。その両手を合わせることによって、仏さまと私がひとつになり、仏さまの存在と安心が得られます。そして、いつも「仏さまが一緒だ」と考えると心が豊かになり、苦しいことも乗り越えられるのです。
 私たちは、毎日を忙しい生活の中で日暮を送っていますが、いま一度改まり、仏さま、そしてご先祖さまに対して手を合わせ、感謝のお念仏を捧げたいものです。


平成26年11月
「西生寺だより 第17号」にて掲載

 

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