法話

香偈(こうげ)の一文

 皆さん方は、御自宅のお仏壇へ向いお参りをされる際には、お線香をお供えされることと思います。あるいは、ご法事やお葬式の時にはお焼香をされることでしょう。仏事においてお香を焚くということは、無くてはならない最も大事な作法のひとつであります。では、なぜお香を焚くのでしょうか。
 「西山浄土宗勤行式」の最初の一文として香偈というお経が説かれております。

 「願我身浄如香炉 願我心如智慧火
     念念焚焼戒定香 供養十方三世仏」

 有り難い仏様の教えを頂戴するにあたり、先ずはお香を焚き、自らの身体と心を浄めます。また我が身と共にこの道場を浄めて、仏様をお迎え致します。そして阿弥陀様及び全ての仏様、また、ご先祖様に対しご供養をして、わたくし自身は如来様の功徳により、その御教えに逢わせて頂きます。
 毎日、朝夕お仏壇に向ってお参りをされる際には、まずは阿弥陀様、善導大師様、法然上人様、そしてご先祖様に対して、お香を献じ、この香偈の一文をお称え致しましょう。そして我が心身を浄めて、日々の生活における中で自分自身が犯した諸々の悪業に対して懺悔致します。そのうえで、阿弥陀様の大慈悲によって救われている自分に気付かせて頂き、改めてお仏壇へ向い、掌を合わせましょう。それにより皆さん方が、感謝のお念仏をお称えする日暮しを送って頂ければ、幸いであります。


平成20年10月
総本山光明寺HPにて掲載






 

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