山内紹介

洗心軒

 西生寺の中庭に「古井戸」がありますが、その向かい側の一画に、お茶室「洗心軒」が平成20年11月に建立されました。
 当寺は寛文年間に現在の場所に移転されましたがそれ以前は、小倉藩主であった細川家や小笠原家の「浜御殿」、つまりお茶屋がこの地に存在していました。
 また、当寺が現在地に移転されてから後も小倉藩主であった小笠原家やその子息が、西生寺へ度々参詣しております。その当時の境内配置図等の詳しい記録は残っておりませんが、山内の一画にお茶室があり優雅なひと時が流れていたことが想像されます。この洗心軒は当時の風情を少しでも再現し、また西生寺の堂宇のひとつとして、諸法要を更に引き立てるものとなることを願い、建立されました。
 小倉藩士で国学者・歌人でもあった秋山光彪は、小倉藩主であった小笠原家のお側役として、たびたび当寺に訪れましたが、その際に「柳浦精舎記」を書き残しています。「柳浦精舎」とは、柳ヶ浦(現在の大里)に在する精舎(寺院)、つまり西生寺について記されたものですが、その中で以下の様な一文が見られます。

 『寄る波の音 清らかにして
       心の垢をも 洗ひつべく

大里の浜にて寄る波の音は、誠に清らかであり、まさに私たちの心の垢を洗い流してくれるかのようであると詠われています。また、浄土宗の高祖であり中国において浄土教を大成させた善導大師の著作「往生礼讃」の中に「洗心甘露水」という文が説かれています。これは、西方極楽浄土には心を洗い清々しくしくする甘露の水があるという意味です。
 古より茶の湯と縁のある大里の浜にて、如来様のお傍らで心清らかに洗われるよう思いを込めて、このお茶室は「洗心軒」と名付けられました。お茶室の向かい側には、中庭を挟んで古井戸がありますが、その古井戸の脇にある石橋は真直ぐお茶室へと向かっております。石橋を渡り切った二・三歩先に洗心軒の躙り口を向かえ、その中へすすむと正面には床の間を臨むことができます。お茶室の構成は銅板葺き二畳半台目となっております。





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